奈良の秋の夜、月明かりに照らされた猿沢池。そのほとりで、平安の雅がよみがえる――
「采女祭(うねめまつり)」は、奈良の歴史と文化が息づく、幻想的で美しい祭りです。
采女祭とは?
- 采女(うねめ)とは、古代の宮中で天皇や皇后に仕え、身の回りの世話をした女官のこと。
- 『大和物語(平安時代中期の歌物語)』によると、奈良時代、帝の寵愛を失った采女(うねめ)が悲しみに暮れ、猿沢池に身を投じたと伝えられています。
- その霊を慰めるため建てられたのが、池のほとりにある采女神社。
社殿は池に背を向けており、「入水した池を見るのが忍びない」と一夜にして後ろを向いたという言い伝えが残ります。









采女祭スケジュール
【宵宮祭】10月5日(日)
神事:17:00~(采女神社)
【例祭】10月6日(月)
見どころ
花扇奉納行列(はなおうぎほうのうぎょうれつ)
JR奈良駅から采女神社まで、時代衣装をまとった人々が練り歩きます。
秋の七草で飾られた高さ2mの花扇を中心に、十二単姿の花扇使や天平衣装の参加者が御所車に乗って登場。奈良の街が平安絵巻のような雰囲気に包まれます。
篠笛奉納演奏「采女おとがたり」
午後6時45分頃から、猿沢池のほとりで篠笛奏者・佐藤和哉さんによる特別演奏。
月明かりに響く笛の音が、采女の悲恋を語りかけるように心に染み渡ります。
- 佐藤和哉さんは、映画やドラマ音楽でも活躍する篠笛奏者。
- 自作曲「さくら色のワルツ」が、ゆずの「雨のち晴レルヤ」のモチーフ曲として採用されるなど、国内外で幅広く活動しています。
管絃船の儀(かんげんせんのぎ)
午後7時、祭りのクライマックス。
雅楽が響く中、**龍頭鷁首(りょうとうげきしゅ)**の2隻の管絃船が猿沢池をゆっくりと巡ります。
花扇使、福島県郡山市のミスうねめ、NARA CITYコンシェルジュらが乗船。池に浮かぶ灯籠の間を進み、最後に花扇を池に投じて采女の霊を鎮めます。
糸占い
この日、采女神社の前で、仲秋の名月の月明かりで縫針に赤糸を通せば、願いが叶うと伝えられています。授与所では、この日のみ糸占が授与されています。

中秋の名月と灯籠の光が幻想的な風景を演出。早めの場所取りがおすすめです。
アクセス
猿沢池まで
- R奈良駅から徒歩約20分
- 近鉄奈良駅から徒歩約5分
まとめ
采女祭は、悲恋の伝説を背景にしながら、人々の幸せを願う祭りとして受け継がれてきました。
雅やかな衣装、幻想的な管絃船、月夜に響く笛の音――。
奈良の秋を感じるには、この上ない舞台です。
中秋の名月の夜、猿沢池のほとりで、平安の風を感じてみませんか?



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