【12月17日(水)】春日若宮おん祭のお渡り式2025|見どころやルート解説

奈良の祭りや行事
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お渡り式(おわたりしき)は、12月17日(水)の正午に行われる春日若宮おん祭の大行列です。
奈良県庁前から出発し、近鉄奈良駅前、油阪、JR奈良駅前を通り、三条通を上って興福寺旧南大門前へ進みます。
ここで「交名の儀(きょうみょうのぎ)」を行い、一の鳥居の近くにある「影向の松(ようごうのまつ)」で「松の下式(まつのしたしき)」を経て、御旅所(おたびしょ)へ入ります。

行列は、馬50頭、奉仕者1000人にもなる大規模なものです。
平安時代から江戸時代までの風俗を色濃く残した華やかな行列で、おん祭の最大の見どころです。

「春日若宮おん祭り」の公式ホームページにリンク
「魅力いっぱい奈良」の春日大社のページにリンク

行列ルート

奈良県庁前 → 近鉄奈良駅前 → 油阪 → JR奈良駅前 → 三条通 → 興福寺南大門跡(交名の儀) → 一の鳥居(松の下式) → 御旅所

※ 県庁前の出発地点の登大路園地は、有料の桟敷席(要予約)のみです。
 行列が、登大路園地から道路に出たところから、道路脇で見学できます。
 松の下やお旅所前にも有料の桟敷席(要予約)があります。
 詳細は、奈良市観光協会のページで確認ください。


行列の主な構成(第1番~第12番)正午に県庁前出発

第一番:日使(ひのつかい)

行列の最初には、赤い衣装に白い布をかけた 梅白枝(うめのずばえ) の人たちが進みます。
そのあとに、桜の飾りをつけた子どもたち 十列児(とおつらのちご) が、そして、黒い束帯(そくたい)を着て馬に乗った 日使(ひのつかい) が登場します。

日使(ひのつかい)は、昔、関白・藤原忠通が急病のため、代わりに楽人を「その日の使い」としたことから始まった役で、行列の中心となる、とても重要な役目です。


第二番:巫女(みこ)

白い被衣(かずき)をかぶり、風流傘(ふりゅうがさ)を差しかけられた騎馬の巫女(みこ)。
巫女(みこ)が持つ錦の袋は「御蓋(おんかさ)」と呼ばれ、春日大社の古い伝統を伝えています。


第三番:細男(せいのお)・相撲

白衣(じょうえ)の六人が細男(せいのお)一座です。
神功皇后(じんぐうこうごう)ゆかりの舞を伝える、今ではおん祭だけに残る貴重な芸能です。
後ろには力士や行司(ぎょうじ)が続きます。


第四番:猿楽(さるがく)

能楽(のうがく)の古い呼び名。現在は金春座(こんぱるざ)が出仕します。
松の下では「弓矢立合(ゆみやたちあい)」などの芸能を奉納します。


第五番:田楽(でんがく)

五色の御幣(ごへい)を立て、笛や太鼓で賑やかに進む一座。
奈良一刀彫(いっとうぼり)の起源といわれる人形を載せた花笠も見どころです。


第六番:馬長児(ばちょうのちご)

山鳥の尾を飾ったひで笠をかぶる騎馬の少年。
もとは「一つ物(ひとつもの)」と呼ばれ、行列の中心でした。

写真は、奈良国立博物館・特別陳列「春日若宮おん祭りの信仰と美術」より
特別陳列は、令和7年12月13日(土)~令和8年1月18日(日)まで開催。一般700円。

お渡り式が行われる12月17日(水)は無料で拝観できます。
時間があれば、ぜひ、お立ち寄りください。


第七番:競馬(けいば)

赤と緑の錦装束を着た騎者の一行。
勝敗によって、舞楽(ぶがく)の蘭陵王(らんりょうおう)と納曽利(なそり)の順番が決まる伝統があります。


第八番:流鏑馬(やぶさめ)

稚児(ちご)が三つの的を順に射抜きながら進む勇壮な神事。
昔はかがり火の中で夜に行われていたと言われています。


第九番:将馬(いさせうま)

人を乗せない引き馬で、神前に馬を献じた古い習わしを残しています。


第十番:野太刀(のだち)ほか

全長5.5メートルの大太刀(おおだち)を先頭に、中太刀、小太刀、薙刀(なぎなた)、槍が続きます。
壮観な行列で、御渡り式を華やかに彩ります。


第十一番:大和士(やまとざむらい)

かつて流鏑馬を奉納していた大和武士の一団。
おん祭を支えてきた人々です。


第十二番:大名行列(だいみょうぎょうれつ)

江戸時代から続く武家行列。郡山藩・高取藩の伝統を継承しています。
昭和に復活し、「ヒーヨイヤナー」「ヒーヨイマカセー」などの掛け声で、御渡りの最後を締めくくります。


南大門交名(きょうみょう)の儀(12:50頃)

興福寺旧南大門の前で行われる、お渡り式の重要な儀式です。
行列が旧南大門前に到着すると、まず 田楽(でんがく)猿楽(さるがく)細男(せいのお) など、芸能集団の代表者が旧南大門に向かって進みます。

そこで、それぞれの座の大夫(たゆう)が名乗りを上げ、
「○○座、大夫 △△、申し上げます」
という形で、自分たちの座名と役職を正式に“口上”として唱えます。
この「名を交わす」所作が 交名(きょうみょう) と呼ばれるゆえんです。

交名の儀は、

  • 行列が御旅所へ向かう正式な許しを得る
  • それぞれの芸能座が祭礼に参加することを神前に宣明する
    という意味を持ち、おん祭の伝統を現在までつないできた大切な工程です。

南大門前では、古式ゆかしい声が響き、行列の緊張感が一段と高まります。
御渡り式の中でも、特に“儀式らしさ”を感じられる場面です。


一の鳥居での松の下式(まつのしたしき:13時~)

当日の12時(正午)の一の鳥居の様子
この場所に行列の先頭が到着するのは午後1時です。
鳥居をくぐった右手に影向の松(ようごうの松)があります。
お渡り行列がここを通過する際、陪従(べいじゅう)・細男(せいのお)・猿楽・田楽の一行が、それぞれ芸能の一節や定められた舞を奉納します。
稚児流鏑馬(ちごやぶさめ 13:30ごろ)もこの辺りから、150mほど先にある馬出橋(うまだしばし)周辺で行われます。


お渡りの行列が御旅所に到着(先頭13:05ごろ~)

行列が御旅所に到着し、順次、神前で参拝をします。


競馬(13:25ごろ)

馬長児(ばちょうのちご)が御旅所に到着した後に、競馬が始まります。
一の鳥居から150mほど先にある馬出橋(うまだしばし)からスタートします。
ゴールは御旅所前を過ぎたところです。
2頭ずつの馬が3組走ります。

猛スピードの馬との接触は危険なため、撮影の際にスマホやカメラをを前に差し出さないようにという注意がありました。


稚児流鏑馬(ちごやぶさめ 13:30ごろ)

一の鳥居の少し先で、稚児による流鏑馬(やぶさめ)が行われます。

写真は、稚児流鏑馬が終わってから、御旅所に到着した行列です。

この後、野太刀(のだち)や大名行列の参拝が続きます


御旅所祭(おたびしょさい 14:30~)

神職により、若宮様にお供えが捧げられます。
その後、神楽や田楽・猿楽などの芸能が22:30頃まで奉納されます。

同日の関連神事(抜粋)

  • 遷幸の儀(00:00) 若宮様をご本殿より御旅所(おたびしょ)にお遷しする儀式
  • 暁祭(01:00~) お供えや神楽の奉納
  • 本殿祭・若宮御留守事(09:00~)
  • お渡し式(正午~)
  • 南大門交名の儀(12:50頃~)
  • 松の下式(13:00頃) 影向の松の前で、陪従・猿楽・田楽らによる芸能が奉納
  • 競馬(13:00頃)
  • 稚児流鏑馬(13:30頃)
  • 御旅所祭(14:30) 若宮様にお供えが捧げられた後、神楽や田楽・猿楽などの芸能を奉納
  • 還幸の儀(23:00頃) 若宮様にお旅所からご本殿にお還りいただく神事



正午から見学する場合は、県庁前広場付近や近鉄奈良駅でお渡り式の出発を見学し、行列の最後が出発した後、すぐ近くの興福寺の五重塔付近に移動して交名の儀(きょうみょうのぎ)を見学するのもおすすめです。この辺りは三条通が上りになっていて、行列が近づいてくるのがよく見えます。



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