今年の「中秋の名月」は10月5日(日)です。この記事では「中秋の名月」について少し掘り下げます。
なお毎年、中秋の名月には奈良・猿沢池で「采女(うねめ)祭り」が行われます。
「中秋(ちゅうしゅう)の名月」とは
中秋の名月とは、旧暦8月15日の夜に見える月のことです。旧暦では7月から9月が秋とされ、その真ん中の8月15日は「中秋」と呼ばれました。空気が澄み、月の高さも見やすいこの時期の月は、一年で最も美しいといわれています。平安時代には貴族たちが月を眺めながら和歌を詠む「観月の宴」を楽しんでいました。
「十五夜」との違い
「十五夜」とは、旧暦の毎月15日の夜のことを指します。その中でも特に旧暦8月15日の十五夜が「中秋の名月」です。つまり、十五夜は毎月ありますが、中秋の名月は年に一度だけの特別な夜です。
【10月6日(月)】2025年の「中秋の名月」

中秋の名月は旧暦に基づくため、毎年日付が変わります。2025年は10月6日(月)で、月齢は14.1とほぼ満月。美しい月の光を楽しめる夜となりそうです。
中秋の名月の意味と由来
この風習は中国から伝わり、平安時代には宮中や貴族社会で広く楽しまれました。月を愛でる行為には、豊作祈願や感謝の意味が込められています。月見団子やススキを飾ることは、その象徴です。月見団子は丸い形が月を表し、収穫への感謝や健康を願う意味があります。地域によっては芋を供える「芋名月」の風習も残っています。現代では、月を眺めながらスイーツやお酒を楽しむなど、季節の風情を取り入れる楽しみ方も人気です。
中秋の名月のお供え物
- 月見団子:満ちた月を模した丸い団子を15個積み上げ、豊作や幸せを祈ります。供えた後に食べることで、月の力を分けてもらえるとされます。
- 里芋・サツマイモ:収穫期にあたり、「芋名月」と呼ばれます。関西では芋の形に似せた団子を供える地域もあります。
- ススキ:稲穂の代わりや邪気払いの意味で飾られます。
- ブドウのツル:神と人を結ぶ縁起物として供えられることもあります。
- 子どもの風習:「お月見どろぼう」として、子どもが団子をもらいに行く微笑ましい風習もあります。欧米の子供たちが、ハロウィンの日に、「トリックorトリート(お菓子ちょうだい!くれないといたずらするぞ!)」と言いながら、各家を回り、キャンディーをもらう風習によく似ています。
信仰と神話
月は日本神話にも登場します。月の神「月読命(つくよみのみこと)」を祀る神社は全国にあり、長崎県壱岐島の「月讀神社」が総本社です。京都・松尾大社では毎年「観月祭」が行われ、音楽や俳句を通じて月を楽しむ催しが続いています。
中秋の名月と奈良の采女祭|10月6日(月)


奈良市・猿沢池(興福寺五重塔の南)では、中秋の名月にあわせて「采女祭(うねめまつり)」が行われます。2025年は10月6日(月)の開催です。
5日(日)は午後5時から神事のみが行われます。
この祭りは、古代に帝に仕えた采女が悲しい運命の末に猿沢池に身を投じたという伝承に由来しています。宵宮では管絃船が池を渡り、雅楽や舞が奉納される幻想的な光景が広がります。水面に映る月とともに舞う雅楽の音色は、訪れる人々に古の物語を感じさせ、奈良ならではの中秋の名月の魅力を一層深めます。
まとめ
中秋の名月は、美しい月を愛でるだけでなく、収穫や家族の幸せに感謝する行事です。ススキを飾り、窓辺や庭から月を眺めるだけでも、昔の人が大切にしてきた「季節を感じる心」に触れられます。2025年は10月6日(月)、秋の夜風に吹かれながら、月に祈りを捧げるひとときを楽しんでみてください。



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