2025年11月7日(金)から9日(日)までの3日間、東吉野村丹生川上神社中社(にゅうかわかみじんじゃなかしゃ)で「東の滝・夢淵ライトアップ(ひむかしのたき・ゆめぶちライトアップ)」が開催されます。
深い山々と清らかな川に囲まれたこの地が、夜の光に包まれ、幻想的な空間へと変わります。
開催概要
開催期間:2025年11月7日(金)~9日(日)
ライトアップ時間:17:00~20:30
飲食ブース出店:11月8日(土)・9日(日)16:00~20:30
開催場所:東の滝・夢淵・丹生川上神社中社周辺
駐車場:丹生川上神社境内および東吉野キャンプ場を利用可
お問い合わせ:観光ライトアップ実行委員会事務局(東吉野村役場地域振興課内)
TEL:0746-42-0441
公式サイトはこちら
イベントの見どころ
2017年、東吉野村発足60周年を記念して始まった「東の滝・夢淵ライトアップ」。
今年も日裏川から高見川に注ぐ「東(ひむかし)の滝」と、碧く澄んだ水をたたえる「夢淵」、そして丹生川上神社中社周辺がライトアップされます。
紅葉と水面が幻想的に輝き、昼間とは異なる神秘的な表情を見せるひととき。
夜風の中、静かな光に包まれる体験は、この時期だけの特別なものです。
また、期間中の週末にはフードブースが登場し、東吉野村の特産品や「ゆず」を使った料理なども味わえます。
秋の味覚とともに楽しむ光の祭典です。
神武東征神話に登場する「夢淵」
初代天皇・神武天皇(じんむてんのう)が日本統一を目指して九州から大和(奈良)へ東征された際、この地にまつわる伝説が伝えられています。
紀伊半島の南・熊野に上陸した神武天皇は、八咫烏(やたがらす/三本足のカラス)の導きによって山深い吉野を進まれました。しかし、奈良の豪族の抵抗により、なかなか奈良盆地へ進むことができませんでした。
そのとき天皇は夢に神の声を聞きます。
――「国を治める志があるなら、香具山の土で土器(かわらけ)の皿と酒壺を作り、酒を満たして川に流しなさい。もし魚が酒に酔って木の葉のように流れたなら、国のまつりごとは安らかに進むであろう。」――
天皇はそのお告げに従い、香具山の土で土器を作り、夢淵の清らかな流れに沈めるように命じました。すると不思議なことに、酒に酔った魚が白い腹を返し、木の葉のように流れ始めたといいます。
下流には平らな石があり、家臣たちはその石の上から、魚が白い腹を見せながら青く澄んだ川を流れる様子を眺めました。国のまつりごとが安らかに進むしるしとして、皆で喜び合ったそうです。
この石は「魚見石(うおみいし)」と呼ばれ、今もその名が残っています。
また、伝承によると、このとき流れた魚はアユ(鮎)で、「魚」偏に「占う」と書く**「鮎」という漢字が生まれた**と伝えられています(※これは伝承上の語りであり、漢字学的な由来とは異なります)。
その後、神武天皇は数々の戦いを経て日本統一を果たし、畝傍山(うねびやま)のふもと――現在の橿原神宮――で即位されました。




秋の東吉野をめぐるおすすめスポット
東吉野村には、紅葉と滝を楽しめる自然の見どころが豊富にあります。
中でも、「七滝八壺(ななたきやつぼ)」や「魚止(うおどめ)の滝」を有する大又渓谷(おおまたけいこく)は人気のスポット。
昼間は紅葉の渓谷を歩き、夜は光の幻想に包まれる――
そんな東吉野ならではの一日を過ごせます。


まとめ

自然と神話が息づく東吉野村。
光に照らされた滝や淵、そして由緒ある神社が織りなす夜の風景は、まさに「幻想の世界」。
歴史と自然、そして秋の彩りを感じながら、特別な夜を過ごしてみませんか。



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